伊勢は長い歴史と伝統の街であり、はるか昔より伊勢神宮を核とした
日本文化の中心的存在として、全国から人々が集まり注目されてきた街です。
伊勢うどんの歴史
伊勢にやって来た人に一度食べてごらんびっくりするよ。といえるのが「伊勢うどん」です。
この「伊勢うどん」たまり醤油の黒い濃厚なタレと、ずんぐりしたふとくて柔らかいうどんでできています。
タレは少し底にあるだけで、うどんにネギや一味をのせ、かきまぜて食べます。
当然うどんはタレの色で黒くなり、初めて目にした人を驚かせます。
この伊勢うどん、昔は素うどんと呼ばれ、古く江戸時代以前よりこの地の農民が、
うどんに地みそから出来た「たまり」を少しかけ食べていたのに発し、その後かつお節などで
だし汁を加え食べやすくしたのが「伊勢うどん屋」の始まりで
約三六〇年前に浦田町橋本屋七代目、小倉小兵さんがうどん屋を開業したということです。
このように、伊勢うどんは元来土着の味ですが、伊勢を訪れる旅行者もその味に舌鼓を打ったといいます。
中でもその昔古市にあった豆腐六(どぶろく)は外宮から内宮へ向かう道すがら
この店のうどんを食べて来た、というのが旅の土産話になる程評判のうどん屋でした。
その名高い伊勢うどんは、年配の方々には市川歌右エ門や市川雷蔵の机竜之介がなつかしい、
中里介山の長編小説「大菩薩峠」にも登場します。それに依ると『豆腐六のうどんは
雪のやうに白くて玉のやうに太い、それに墨のやうに黒い醤油を十滴ほどかけて食ふ。
「このうどんを生きているうちに食わなければ、死んで閻魔に叱られる」と、土地の人に
斯う云い噺されている名物』とあり、好きな人は五杯・六杯とたいらげたといいます。
もちろん今でも味にこだわる伊勢の人にとってそれぞれひいきの店があることは言うまでもありません。
貴方も伊勢に来たなら一度はこの「伊勢うどん」食べてみてはいかがですか。

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・渡辺徹さんの番組取材
・伊勢出身の夏木陽子さんが
  当店をご紹介くださった雑誌記事